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旧田園調布駅駅舎

ノスタルジー漂う「旧田園調布駅駅舎」の魅力

みなさんは、東急東横線の「田園調布駅」にある「旧田園調布駅駅舎」をご存じでしょうか?
近代日本の郊外住宅地を象徴する存在として、今なお多くの人々に親しまれているこの建物は、田園調布という街そのものの歴史と理想を体現しています。

田園都市構想と駅舎の誕生

田園調布は、1920年代に「田園都市株式会社」によって開発された郊外住宅地です。都会の喧騒を離れ、豊かな自然と美しい街並みに囲まれて暮らすという理想を掲げた計画都市であり、その中心的な存在として建設されたのが「田園調布駅駅舎」でした。
駅舎は1923(大正12)年に完成。赤い三角屋根が特徴的で、西洋風の洋館を思わせるデザインは、当時のモダンなライフスタイルへの憧れを色濃く反映しています。駅前の放射状に広がる街路と調和し、訪れる人々に「ここから特別な暮らしが始まる」という印象を与えるランドマークでした。

保存と再生の物語

しかし、時代の流れとともに駅舎は役割を変えていきます。東急東横線の輸送力強化に伴い、駅施設の拡張工事が進められた結果、旧駅舎は1990年代に取り壊される運命を迎えました。
ところが、地域住民や有識者から「田園調布の象徴を残したい」という声が数多く上がり、駅舎は復元保存されることとなります。現在、旧駅舎は駅前ロータリーに移築され、「田園調布駅前古民家のような資料館」として一般公開され、地域の歴史や街づくりの理念を伝える役割を果たしています。

建物に込められたデザインの意味

旧駅舎の外観は、一見すると小さな洋風の邸宅のようですが、よく見ると細部にさまざまな工夫が凝らされています。赤い瓦屋根は温かみを与え、白い外壁とのコントラストが上品な雰囲気を漂わせます。さらに、正面のアーチ型玄関や窓枠のデザインには、西洋建築の要素が取り入れられており、当時の人々が思い描いた「理想の郊外生活」の象徴でもありました。
また、放射状に伸びる街路の中心に配置された駅舎は、単なる交通施設にとどまらず「街のシンボル」として機能しました。まさに「駅から街が始まる」田園都市構想の核となる存在だったのです。

現代における価値

現在の田園調布は、高級住宅街として全国的に知られていますが、その始まりには旧駅舎の存在がありました。駅舎を保存したことで、街づくりの理念や歴史を後世に伝えられるだけでなく、訪れる人々に「過去と現在をつなぐ場所」としての魅力を提供しています。
特に建築や都市計画に関心のある方にとって、旧田園調布駅駅舎は「日本の郊外住宅地の原点」を感じられる貴重なスポット。散策の途中で立ち寄れば、街並みの美しさとともに、90年以上前の人々が抱いた夢に思いを馳せることができるでしょう。





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