僕は23歳ですからこの間生まれたばかりのようなもので、まだ人生の右も左もわかりませんが、立ち方と歩き方くらいはわかるようになりました。子育ての仕方はいろいろで、僕だって子供を育てたことはありませんからたいしたことはわかりません。でも、僕がどのように育てられたかということについては多少わかります。僕の親は特別厳しいということはありませんでしたし、特別甘いということもありませんでした。ただ、特に母の方には確固たる指針みたいなものがあったように思います。それは「どう育てるか」という方法の話ではなく、「どういう人間であるべきか」という規範のようなものだったかもしれません。母自身が「こうあるべき」ということを口で言うことはありませんでしたし、母自身にも自覚はなかったでしょう。それでも僕は何かを大事なことを教わったような気がします。
本だけは買ってくれる両親
小さい頃はテレビをあまり見ませんでした。ゲームも買ってもらえませんし、自分のお年玉や貯金で買うのもダメでした。そのあたりは教育方針でしょう。今回は書きませんが、親の考えも今は違います。一方で、本はいくらでも買ってもらうことができました。何冊でも、どんな本でも欲しいと言えばすぐに本屋に連れて行ってくれます。まだ字が読めなかった保育園の頃は、毎日のように絵本を読み聞かせてくれましたし、誕生日やクリスマスには必ず本も一緒にプレゼントしてくれました。図書館に連れて行ってもらうことも多かったです。これまでに読んだ本が自分の大きな資産であると気づいたのは、大人になってからです。お金にも勝ると自信を持って言えます。親の教えの中で今でも覚えている格言めいた言葉はひとつもありませんが、「本を読む」ということに対する態度は親から教わったものが大部分であると言えます。僕の家は全然お金持ちではありません。でも貧しかったかと聞かれるとそんなことはないように思います。生活水準の話ではなく、体感的な「豊かさ」の話です。本を読む両親だったことが、関係がなかったとは思えません。
図書館のある町
僕は何者でもありませんから、別に「子供には本を読ませるべき」と誰に向かって言うわけでもありませんが、少なくとも自分に子供ができたら本をたくさん読ませると思います。もっとも、子供が欲しいという願望も子供ができる予定ももっぱらありません。
品川区・大田区には図書館がたくさんあります。大森でいえば、駅から10分ほどのところに南大井図書館、僕の職場でもあるLuz大森に入新井図書館があります。再三言うように親になるつもりは今のところありませんが、「近くに図書館があるか」ということは子育ての場を選ぶひとつの基準になると僕は思っています。その意味で大森は良いところです。
読書の秋に、親子で一緒に図書館に行ってみるのはいかがでしょうか。