― 下町とヨーロッパの香りが混ざる、ちょっと不思議な通り ―
JR大森駅東口から徒歩数分。駅前の喧騒を抜けて少し歩くと、静かな住宅街の中に伸びる一本の通りが現れます。それが「ジャーマン通り」。
名前の由来は、戦前にこの地域にドイツ人が多く住んでいたことから名付けられたといわれています。異国情緒を感じる名前に惹かれて、初めて訪れる人も多い通りです。
昔ながらの商店と新しいお店が共存する通り
ジャーマン通りには、古くからの商店と新しいカフェや雑貨店が並んでいます。
青果店、ベーカリー、理容室などの昔ながらのお店が並ぶ一方で、近年は個人経営のカフェやイタリアン、ベーグル専門店なども増えています。
それぞれがゆったりとした距離を保ちながら共存しており、「地元の人の日常」と「新しい風」が自然に混ざり合っているのが魅力です。
休日の昼下がりに歩くと、買い物帰りの家族連れや、ベビーカーを押すお母さん、犬の散歩をする人などが行き交い、街全体がのんびりとした時間の流れに包まれています。
カフェめぐりが楽しい通り
ここ数年で注目を集めているのが、ジャーマン通りの「カフェ文化」です。
自家焙煎コーヒーを提供する小さな喫茶店や、テイクアウト中心のベーカリーカフェなどが点在しています。
どのお店も店主のこだわりが強く、メニューだけでなく内装や音楽にも個性が光ります。
特に人気なのが、地元の素材を使ったスイーツや、テラス席でペットと一緒に過ごせるカフェ。大森という落ち着いた街にぴったりの穏やかな空気が流れています。
ふらりと立ち寄って、コーヒー片手に人の往来を眺めているだけでも、まるで小さな旅をしているような気分です。
四季の移ろいを感じる街並み
ジャーマン通りのもうひとつの魅力は、四季折々の風景です。
春には通り沿いの桜が見事に咲き、淡いピンク色がアスファルトをやさしく染めます。
夏には商店街の軒先に風鈴が並び、涼やかな音が響きます。秋は銀杏並木が黄金色に輝き、冬にはイルミネーションが灯ることもあります。
こうした季節の移ろいが感じられるのは、地域の方々が大切に手入れをしているからこそ。地元の人の温かさが、街の風景そのものに表れています。
街を歩く小さな旅へ
ジャーマン通りは、観光地というより「暮らしの中にある風景」。
特別なものがあるわけではないのに、なぜか何度でも歩きたくなる不思議な魅力があります。
昔からこの街に住む人と、新しく移り住んできた人が、自然に混ざり合う通り。そこには“派手さ”ではなく、“心地よさ”が息づいています。
次の休日、大森駅を降りたら、ぜひジャーマン通りをゆっくり散歩してみてください。
懐かしさと新しさが溶け合う、やさしい時間がきっと流れています。
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