東京・大田区の玄関口「大鳥居駅」を歩く ― 羽田空港への途中で立ち寄りたい街
羽田空港へ向かう京急線の途中に、「大鳥居(おおとりい)駅」という少し印象的な名前の駅があります。
名前の響きから「神社の近くかな?」と思う人も多いのではないでしょうか。実際、大鳥居駅のすぐそばには「穴守稲荷神社」という由緒ある神社があり、駅名の由来もこの神社にあります。
京急空港線の重要な中継地
大鳥居駅は、京浜急行電鉄・空港線の駅で、品川駅から羽田空港へ向かう途中にあります。
特急やエアポート快特などの一部列車も停車するため、空港利用者にとっては「空港の一歩手前」として覚えやすい駅です。
駅は高架化されており、改札口は一つ。上下線ともにホームが広く、明るい印象があります。朝夕の通勤時間帯は周辺企業や専門学校の通勤・通学客で賑わいますが、昼間は落ち着いたローカルな空気が漂っています。
「大鳥居」という名前の由来
駅名の「大鳥居」は、もともと近くにあった穴守稲荷神社の大鳥居に由来します。
実は現在の大鳥居駅周辺にある鳥居は、かつて羽田空港の敷地内にあったもの。昭和20年代に空港拡張のため神社が移転し、大鳥居だけが取り残されました。しかし地元の人々の強い思いによって保存され、平成に入ってから現在地へと移設されたという歴史があります。
今も「空の守り神」として多くの人に親しまれており、駅周辺にはこの神話を感じさせる小道や石碑が点在しています。
穴守稲荷神社と街の魅力
駅から徒歩5分ほどの場所にある「穴守稲荷神社」は、朱塗りの鳥居がずらりと並ぶ参道が美しい神社。商売繁盛や航空安全のご利益があるとされ、地元企業の人々だけでなく、パイロットや空港職員も訪れるのだとか。
境内には狐の石像や御守りが数多く並び、写真映えするスポットとしても人気です。春には桜、秋には紅葉が彩りを添え、四季折々に違った表情を見せてくれます。
街歩きとグルメスポット
大鳥居駅周辺は昔ながらの商店と新しいカフェが共存する、ほどよく落ち着いた街です。
特に駅東口側には、下町の食堂や立ち食いそば屋、昭和の雰囲気を残す居酒屋などが並んでおり、仕事帰りの人たちの憩いの場になっています。最近では、空港勤務の若い人たちや外国人観光客向けに、リーズナブルなビジネスホテルやゲストハウスも増えました。
羽田空港への前泊地としても注目
羽田空港から電車でわずか2駅という立地から、大鳥居は“前泊エリア”としても人気です。
周辺にはビジネスホテルや空港送迎付きの宿泊施設が多く、深夜・早朝便を利用する旅行者にはありがたい存在。
駅前のコンビニやカフェも深夜まで営業しており、空港直前の静かな夜を過ごすには理想的な環境です。
まとめ:空港の玄関口にある「ほどよい下町」
大鳥居駅は、羽田空港に近いながらも観光地ほど騒がしくなく、どこか人情味のある街です。
歴史と現代が同居するこのエリアは、「空へ旅立つ前に少し寄り道したくなる場所」。
もし空港に向かう途中で時間に余裕があるなら、改札を出て街を散歩してみてください。
きっと、旅の始まりにふさわしい小さな発見が待っています。