蒲田の名店「とんかつ丸一」で味わう至福の一枚肉
東京の蒲田といえば、羽田空港に近い街として知られていますが、実は“とんかつの聖地”と呼ばれるほど名店がひしめくエリアでもあります。その中でも屈指の人気を誇るのが「とんかつ丸一」。とんかつ好きなら一度は名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。私も長らく気になっていたお店で、先日ついに足を運んできました。
行列必至の人気店
丸一はJR蒲田駅の東口から徒歩数分。お昼時に近づくと、既に行列ができているのが目印です。開店時間の11時を少し過ぎて訪れたのですが、すでに10人以上が並んでいました。店構えは昔ながらの食堂のような雰囲気で、特別な装飾はありません。ですが、そのシンプルさこそ「味一本勝負」の自信の表れとも感じられます。並んでいる間、常連らしき方々の会話から「やっぱりロースだよな」「ヒレも外せない」といった声が聞こえてきて、期待はますます膨らみます。
注文はシンプルに、しかし迷う
メニューはロースかヒレを中心にした定食が基本。どちらにするか迷いましたが、初めての訪問ということで王道の「ロースかつ定食」を注文。ちなみに丸一は鹿児島県産の黒豚を使用しており、その肉質の良さも人気の理由です。調理に少し時間がかかるので、席に着いてからもしばし待ち時間があります。ですが、この待ち時間すらも「いよいよだ」というワクワクに変わるから不思議です。
いざ、実食
運ばれてきたロースかつは、見た目からして圧巻。分厚いのに衣はきめ細かく軽やかで、余分な油を感じさせません。箸で切ると中からほんのりピンク色の断面が顔をのぞかせ、肉汁がじんわりと滲み出ます。ひと口かじれば、サクッとした衣のあとに柔らかい肉の旨味が押し寄せ、脂の甘みが口いっぱいに広がります。脂身が多い部位なのにしつこさはなく、むしろあっさりとした後味。これは肉質と揚げの技術が見事に噛み合っている証拠でしょう。
ご飯と味噌汁の名脇役
定食についてくるご飯と味噌汁も侮れません。ご飯は炊き加減が絶妙で、かつと一緒に食べても重すぎず、ついおかわりしたくなるほど。味噌汁はシンプルながらも出汁が効いており、油を程よくリセットしてくれます。キャベツの千切りもシャキシャキとしていて、ソースをかけてもそのままでも美味しい。こうした細部へのこだわりが、全体の満足感をさらに高めています。
丸一が愛され続ける理由
丸一の魅力は単に「美味しいとんかつ」だけではありません。行列に並んででも食べたいと思わせるのは、素材と技術への一切の妥協のなさ。上質な黒豚を使い、油や揚げ時間を徹底的に管理することで、厚切りなのに重くならない奇跡のバランスを実現しています。また、お店の方々の対応も丁寧で、長年通う常連さんが多いのも納得です。
まとめ
蒲田の「とんかつ丸一」は、まさに“とんかつの完成形”と言いたくなるようなお店でした。シンプルで豪快、そして繊細。とんかつという料理の奥深さを改めて実感させられます。蒲田は他にも名店が揃っていますが、まず一軒選ぶなら間違いなく丸一をおすすめしたいです。次回はぜひヒレかつにも挑戦してみようと思います。
「美味しいとんかつを食べたい」その気持ち一つで訪れる価値がある、そんなお店でした。